よくある質問

お子様の御同伴について

乳腺外来受診、ならびに乳がん検診受診時に、未就学のお子様を同伴して頂いても結構です。いずれも、まだまだ子育て中の40代も対照年齢となりますので、どうぞご遠慮なさらずお連れください。スタッフで対応いたします。

がん検診結果 アミノインデックス がんリスクスクリーニング

アミノインデックス がんリスクスクリーニング検査とは、たった5mlの血液検査で胃がん・肺がん・大腸がん・前立腺がん・乳がん・子宮がんまたは卵巣がんリスクがわかる検査だそうです。乳腺外来にもこの検診結果をお持ちになるかたを、お見かけします。検査結果は、ランクA,B,Cに分類されランクCと判定された場合、それぞれのがんに対する精密検査が必要になるとのことです。残念ながら、がんがあるかどうかといったこと確定するものでは、ないとのことです。

乳がんが、あるのか、ないのかに関しては、マンモグラフィと乳腺エコー検査の二つの検査が、今日でも、基本的な検査となります。

乳がん検診結果  ボルパラ(Volpara)判定

ボルパラ(Volpara)判定

マンモグラフィ検査において、以前から乳腺濃度(レントゲンの通過しずらさ)は、脂肪性、乳腺散在、不均一高濃度、高濃度と4分類されており、乳腺濃度の髙い高濃度乳腺は、石灰化や腫瘤のカゲが正常乳腺に隠れてしまって描出されづらく、マンモグラフィ検査が苦手とする乳腺とされています。

ボルパラ(Volpara)判定とは、この乳腺濃度をデジタル画像から、客観的に数値化して判定する方法です。この判定で、高濃度の乳腺と判断されたからといって、決して乳がんになりやすいと心配される必要はありませんが、この高濃度の乳腺の場合、マンモグラフィのみでなく、乳腺超音波検査を組み合わせることにより乳がんの見逃しを防ぐことが検討されています。

乳腺の手術予定です。セカンドオピニオンの予約方法を教えて下さい。

良性腫瘍にしても、悪性腫瘍にしても 『手術』 予定となると不安なことが多々生じてくることと思われます。マンモグラフィ、乳腺エコーなどの資料をお持ちいただければ、より具体的にセカンドオピニオンの呈示ができますが、事情により画像の準備が難しい場合でも、お話しをお伺いすることはできますので、外来でご相談下さい。患者さんご本人が来院された場合は、保険診療の対象となります。セカンドオピニオンの予約は、通常の診療同様にお電話で予約をお願いいたします。

乳がん検診で早期発見 乳がんの発育速度

乳がんは、その発育速度で、ゆっくりゆっくり成長するタイプと、とても成長の早いタイプの2種類のがんにわけられます。多くの、ゆっくりと成長するタイプの乳がんは、1個の細胞から、1cmまで成長するのに約10年かかると言われています。この10年の間に、4-5回、乳がん検診を受けていただくことにより、なんとか乳がんを早期発見したいものです。現在、1年おきにマンモグラフィによる乳がん検診が推奨されていますが、1年前なら覚えているけれど、2年以上前の記憶って曖昧ですよね。偶数年齢での乳がん検診受診を推奨としていた自治体もあったようですが、困ったことに、5歳刻みの乳がん検診無料クーポン券が配布されたために、多少、検診間隔に混乱を招いてしまっております。忙しかったり、職場の異動だったり、几帳面な方でも、現実的には、検診間隔が、おおむね4-5年ごとになってしまっており、残念ながら、早期とは言い難い状態で診断されているのが現状です。早期発見のために、是非、1年おきに乳がん検診を受けていきましょう。

残念ながら、もう一方の成長の早いタイプは、とても短期間で、倍の大きさに成長し、リンパ管や血管にはいりこみ、リンパ節へ、そして肺、肝臓へと転移してしまいます。このタイプの乳がんは、1年おきの乳がん検診だけでは救命が難しいがんと言えます。定期的に乳がん検診を受けていても、もし、しこりや、違和感があった場合には、早めに乳腺外来を受診しましょう。

乳腺外来で、良性のしこりで、経過観察しましょうと言われました。

職場の検診で、乳腺超音波検査を受けていただくと、様々な良性疾患が見つかります。嚢胞、線維腺腫、乳管内乳頭腫…乳腺超音波検査は、放射線の被曝もなく、お若い方で、乳がんの早期発見につながることも、時としてありますが、残念ながら、超音波検査機器の精度が良くなりすぎたこともあり、たくさんの良性疾患が見つかってしまいます。腫瘍として見つかるものの代表的なものに『線維腺腫』が、あります。この良性腫瘍は、20~30代に発生し、閉経すると、しぼんで消えてしまう、良性腫瘍です。線維腺腫と診断された場合に切除する必要は、ありません。紛らわしい疾患として、葉状腫瘍といって、良性なのですが、成長し続けてしまう良性腫瘍があります。この葉状腫瘍は、困ったことに、良性、悪性の境界が曖昧で、時に急激に大きく成長してしまうことがあります。さらに困ったことに、腫瘍の一部を採取して顕微鏡検査をしても、線維腺腫と、葉状腫瘍の区別をすることは、とても難し事なのです。顕微鏡の検査(病理検査)で、区別が難しいと初めて聞いたときには、耳を疑ってしまいました。線維腺腫と診断されても、まれに紛らわしいものがあるため経過観察し、一般的には、おおきさが3cmを超えた場合は、丸ごと腫瘍を切除して、顕微鏡検査を行います。40歳以上で、初めて、線維腺腫と診断された場合も要注意です。

通常、この線維腺腫は、正常乳腺と硬さが変わらないため、超音波検査をうけるまで、自覚されないことがほとんどです。妊娠期に増大したり、閉経前に、硬くなって自覚されることがあります。

乳がんの好発年齢は、40歳から60歳と言われていますが、なぜですか?

乳がんの好発年齢は、40~60歳です。なぜ、他の胃がんや大腸がんに比べて発症年齢が若いのでしょうか?それは、乳がんの発がんならびに発育に女性ホルモンが深く関係しているからです。一般的な、閉経年齢の50歳を前に急激に罹患率が増加するのは、そのためです。若い年代に発症することが、やや強調されすぎていますが、70歳、80歳でも乳がんは、発症しますので、しこりに気がついたら乳腺外来を受診しましょう。70歳以降は、緩やかに罹患率が減少しますが、お元気な高齢者の多い東京都北区では、80歳以上での乳がんも、まれでは、ありません。

がんの好発年齢について

お勤め定年まで、全く病気をしたことがないし、がん家系では無いので、がん保険の解約を考えていると、ご相談を受けたことがあります。

みなさんは、がんの好発年齢をご存知ですか?胃がん、大腸がん、肺がんといった内臓のがんは、実は、リタイアされた60歳以上も好発年齢となっています。お勤めされていらっしゃる間は、毎年欠かさず受けていた、胃のバリウム検査や便潜血検査も、職場をはなれるとすっかりご無沙汰になってしまいますね。特に消化器系のがんは、全く症状が出ないのが特徴です。あるとしても、とてもがんが進行してからの貧血です。病院嫌いの、顔色が冴えない60、70歳のご家族がもしいらっしゃいましたら、早めの病院受診を勧めてください。

もうひとつ、好発年齢についてですが、乳がんは、40歳から、子宮頸がんは、20歳代後半からが好発年齢となっています。社会において、家庭において大切な役割を担う世代の、これらのがん検診受診率が低いことを受けて、『女性特有のがん検診推進事業』が、平成21年度からはじまりました。乳がん、子宮頚がん検診クーポン配布は、平成27年度で、終了となる予定です。是非、この機会に、クーポン利用をおすすめします。

人間ドックで腫瘍マーカー検査を勧められました。どのマーカーが乳がん発見に良いのですか?

残念ながら、いずれの腫瘍マーカーも、乳がんを見つけることに、役立ちません。

CA15-3、CEAといった、腫瘍マーカーが乳がんの転移・再発後に上昇することがありますが、乳がんを見つけ、診断する検査は、マンモグラフィと超音波検査(エコー)です。

乳腺外来(乳がん検診施設)を探しています。

順天堂大学先輩・後輩・関連病院・クリニック

東京都

  • 文京区  順天堂大学 乳腺科(初診 8:00-11:00)
  • 文京区  同友会 春日クリニック 乳がん検診
  • 文京区  こひなたクリニック(皮膚科)
  • 新宿区  あべメディカルクリニック 阿部郁子医師 月・木・土
  • 練馬区  順天堂大学 練馬病院 乳腺外科
  • 中央区  聖路加国際病院 山内英子乳腺センター長
  • 板橋区  おおはし医院 順天堂大学乳腺科 非常勤講師 大橋薫医師
  • 葛飾区  東部地域病院
  • 江戸川区 東京臨海病院 外科 織畑道宏外科部長
  • 北 区   沼尾クリニック
  • 北 区  明理会中央総合病院 乳腺外科 日野眞子医師
  • 荒川区  小林医院
  • 荒川区  尾久橋医院  鈴木貴久院長
  • 台東区  浅草病院
  • 豊島区  南大塚クリニック

千葉県 

  • 浦安市  順天堂大学 浦安病院 外科
  • 浦安市  杉山クリニック
  • 市川市  行徳総合病院 外科 乳腺外科

静岡県

  • 伊豆の国市 順天堂大学 静岡病院 乳腺専門外来

埼玉県

  • 越谷市  越谷市立病院 乳腺外科
  • 川口市  済生会川口総合病院 外科
  • 春日部市 内牧クリニック 前川勝治郎院長
  • 浦和美園

山梨県

  • 甲府病院 高橋ひふみ医師

愛知県

  • 知多郡  藤澤医院

神奈川県

  • 川崎市 太田総合病院 外科(火・pm)

長野県

  • 長野市 赤十字病院 乳腺・内分泌外科 浜善久部長

新潟県

  • 柏崎市 柏崎総合医療センター 植木匡外科部長

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乳がん検診.com

喫煙と乳がん

喫煙がさまざまな癌の発生と関連していることが知られており、乳がんも例外ではありません。以前、タバコは、女性ホルモンを作る酵素を破壊するので、結果として女性ホルモンの働きが弱くなるので、乳がんの発生、発育が抑えられるのではといった推測がなされた時期もありましたが、いくつもの疫学調査で、乳がんと喫煙ならびに授動喫煙が乳がん発症リスクと関連していることがわかってきました。乳がん細胞の壊れた遺伝子を修復する酵素の働きを妨げるためであろうと考えられています。

なかなか、職場や、飲食する機会でまだまだ分煙、禁煙が進んでいないため、禁煙の継続が難しい事と思います。結婚、転居などライフイベントのタイミングで、禁煙外来受診をおすすめします。かつて、大学医局には、ヘビースモーかが大勢居ましたが、がんを治療する立場を自覚し、ニコチンパッチなどの禁煙補助薬が1999年頃から販売されたのを契機に禁煙が広がっていきました。

乳がんと喫煙

乳がんの手術を10数年前に受けました。乳がん検診を受けたいのですが・・・

乳がんの手術を10数年前に受けました。乳がん検診を受けたいのですが、どうしたら良いでしょうか。

術後10年ほど経つと、治療した主治医から、そろそろ今後は、検診でみてもらって下さいと言われることがあるようです。治療と経過観察が一段落している状況であれば、自治体の方針にもよりますが、どうぞ、遠慮なさらずに、通常の自治体の乳がん検診で、マンモグラフィ検査を受けてください。乳がんの術後に、マンモグラフィ検査を受け続けることにより、新たな対側乳がん発生による死亡率が抑制されることがわかっています。

困ったことに、温存乳腺に生じた乳がんは、マンモグラフィ検査での診断に時として苦慮します。お住まいのお近くに、検診もできる乳腺外科があると良いのですが…

豊胸術を受けています。40才になったので、乳がん検診を受けたいのですが・・・

自治体での乳がん検診で、注意書きとして、『豊胸術後の方は、検診を受けられませんのでご了承ください』といった内容の記載を見かけます。これは、シリコンバックなどを挿入している場合は、破損や挿入位置のずれが懸念されるため、通常の乳がん検診では、原則お断りすることになっています。脂肪やシリコン注入の場合は、病変が描出されないことが懸念されるため、その点をご理解いただいて、こちらも原則検診では、お断りしています。

一般的なシリコンバックを大胸筋の下に入れている場合、慣れた撮影技師であれば、シリコンバックを避けて圧迫することにより、撮影可能です。脂肪注入は、注入された脂肪が異物反応で小さな卵の殻のような石灰沈着ができるので、微細な石灰化を捉えずらくなってしまいます。豊胸術後の乳がんを診断、治療する機会が増えてきましたが、豊胸術は、乳がんの発生と関連は、ありません。

エコー検査であれば、いずれの豊胸術でも検査可能ですので、しこりなど自覚された場合は、乳腺外科で、エコー検査を受けることを、お勧めします。

 

日本乳がん検診精度管理中央機構

豊胸術実施者のマンモグライ検査に係る見解

乳がんの予防

乳がんを予防する方法は、残念ながら、今のところありません。乳がん発症の危険性を高めるものに、アルコール多飲、喫煙、運動不足と行った、生活習慣の関係しているものがいくつかあります。乳製品、脂肪摂取、緑茶、サプリメントなどは、関連性が現在のところ不明です。大豆食品の摂取は、乳がん発症リスクを抑えることがわかっています。豆腐に納豆、お味噌汁、和食が良いって事ですね。

ご自分でできる、乳がんの危険性をさげる事は、

1.タバコは、すわない。すわせない。

2.お酒は、ほどほどに。

3.適度な運動 、太らないようにする  (特に閉経後)

ご近所にも、たくさんのフィットネススタジオができました。

メガロス田端

スポーツクラブNAS西日暮里

ホットヨガスタジオLAVA日暮里

JOYFIT日暮里(24時間!)

D-LAXコンビニフィットネス日暮里

フィットネススタジオ フラックス

カーブス田端駅前店

乳がんと喫煙

 

マンモグラフィ検診(乳がん検診)検査結果の解説

マンモグラフィの乳がん検診で再検査・要精密検査となる検査所見の解説です。

【腫瘤】

腫瘍でレントゲンが遮られることによってできる『かげ』をとらえます。悪性腫瘍と良性腫瘍で、そのさえぎりかた、かげのふちどりが微妙に異なることによって、良性悪性を判断します。乳腺をひらたくのばして撮影するのですが、正常な乳腺組織に重なりができてしまい腫瘤と見えてしまう場合があります。分泌物の貯溜した嚢胞も腫瘤としてうつることがあります。

【局所的非対称性陰影】

漢字が並んでいてものものしいですが、ひらたい言葉で表現すると、右と左と見比べてなんか違う部分があるということです。もともと乳腺の左右差は、よくあることですが、レントゲンのさえぎり方があきらかに、左右で異なる部位があるときにこの表現を使います。

【石灰化】

悪性腫瘍に伴う、壊死した細胞内のカルシウムの沈着、もしくは、腫瘍の分泌するカルシウムが沈着した、がんの存在を疑うわずかなサインです。

検診で、乳腺症と診断されました。このまま放置しておいて良いのでしょうか。

乳腺症の症状

生理後も、乳腺全体が硬く張ったかんじで、ところどころにしこりのようなでこぼこが触知されます。片側のごく一部分にのみ、しこりとして触知されるような事もあり、かなりの強い痛みを伴う場合もあります。

乳腺症の原因

乳腺症は、女性ホルモンの働きかけが強くなって乳腺組織が授乳準備中のように張った状態です。外来では、『ホルモンバランスがアンバランスとなり、乳腺がむくんだ状態』と説明しています。『状態』と表現されるように、通常は、一時的な変化ですが、ホルモンバランスが安定しても、このごろごろがとれるのに、2-3ヶ月かかってしまいます。異動や引っ越しなど環境の変化する季節に多く見受けられ、育児や仕事による寝不足ですとか、脂肪分、カフェインの取りすぎも誘因と考えられてます。

乳腺症と診断されたら

かつて10年以上前は、乳がん検診といえば、視触診のみで、多くの方が、視触診で『乳腺症』と診断され、不安を感じたことと思います。人間ドックの乳腺超音波検査(エコー)でもしばしば、この『乳腺症』と診断されます。超音波で乳腺組織は、黒と白がまだら模様の斑紋状構造として描出されますが、このまだらな黒い部分の面積が多いときに『乳腺症』と判断します。がんを見つけるための検査ですので、わざわざ良性所見を記載する必要は、ないのですが…

乳腺症があるからといってがんの発生する確率が増えたりすることはありませんが、がんのしこりをご自分で見つけるのが多少難しくなります。

乳腺症の治療

治療として、症状が激しい場合は、薬物療法を行うこともありますが、通常、上記のようなストレスが軽減し、ホルモンバランスが改善すれば症状は、徐々に軽快していきます。あくまで疾患ではなくて、一時的な状態と考えてください。

『現代外科学大系』

余談ですが、いまから40年以上前に発行された『現代外科学大系』という当時の外科のすべてを網羅した教科書には、50ページ以上にわたってこの『乳腺症』について解説されており、診断・治療に苦労していたことを、うかがい知ることができます。

マンモグラフィで石灰化があると言われ不安です。

体のあらゆるところにカルシウムの沈着は生じます。特に乳腺は、乳汁を作るためのカルシウムをつくるぞうきですので、石灰化が良く認められます。マンモグラフィで探すべき石灰化は、がん細胞が壊死したときに細胞内に僅かに含まれていたカルシウム成分がそこに沈着してできる石灰化です。通常の細胞分裂速度では、この石灰化は、きれいに掃除をする細胞で除去されてしまうのですが、あまりにも速いスピードで、がん細胞の死骸ができしまうため、掃除しきれずにたまってしまいます。この、カルシウムをつくる分泌型の石灰化と、壊死による石灰化の鑑別には、多少の慣れが必要です。 僅かな石灰化でしか捉えることが出来ない早期の乳がんは、マンモグラフィでないと見つけるのが困難です。ただし、すべての乳がんに石灰化が生じるわけではありません。

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乳がん検診のマンモグラフィ検査とは、どのような検査ですか?

マンモグラフィ(MMG:Mammography)

マンモグラフィ検査とは、乳房を平たく押さえてレントゲン写真を撮ることに より、乳腺内の異常を調べる検査です。がんの腫瘤そのもの、がんの証拠となる石灰化 、引きつれなどを、見つけ出します。※非触知の早期乳がん発見につながる検査のひとつです

マンモグラフィ検査は、X線を利用します。健康には影響のないX線量ですが、薄くすることでさらにX線被曝を低減できます。 マンモグラフィ検査による被曝が気になることと思いますが、地球上で生活していると、年間に2.4mSVの自然放射線を浴びています。東京から米国までの往復で約0.08mSVの被曝をする事がわかっていますが、マンモグラフィは、1回の検査でこの半分の約0.038mSvの被曝を受けます。むやみに被曝を受けるべきでは、ありませんが、40歳以上の年齢で、マンモグラフィ検査を受けることのメリット・デメリットを考えると、是非、一年おきのマンモグラフィ検診をおすすめします。

このようなレントゲン被曝に関してのご相談を受けるたびに、かつて胃X腺二重造影法を作り上げた先生方の尋常でない被曝のことを、いつも考えてしまいます。

精度管理されたマンモグラフィ

乳腺エコーとは、どのような検査ですか?

現在普及している超音波画像診断法は、和賀井敏夫順天堂大学名誉教授によって開発されました。NHKのプロジェクトX『創意は無限なり・超音波診断機エコー』で、ごらんになった方もいらっしゃるかと思いますが、潜水艦を見つけるソナー技術の原理を応用し、組織に当てた反射音波を画像として描出し、体内の異常を発見する技術です。

マンモグラフィと超音波検査とどちらが精密な検査なのかと、よく質問されますが、どちらの検査も、得意な病変、不得意な病変があります。しこりの良・悪性を判断する事は、超音波検査の得意とするところです。超音波検査の最大のメリットは、放射線による被曝のないことです。世界に類のないほど、日本中には、この装置が普及しています。デメリットは、検査担当者の技量、検査機器の質により精度のばらつきが生じてしまう点です。現在のところ、対策型乳がん検診(住民検診)で、乳腺超音波検診は、推奨されていません。その一つの理由は、たくさんの良性病変(嚢胞、繊維腺腫などの良性腫瘍)を見つけることになるが、良性と断定することが難しいため、不必要な検査を受けていただくことになってしまうためです。マンモグラフィ検診で、がんの証拠をとらえるのが時として難しい40歳代での有効性が現在検証されている段階です。

2006年 和賀井敏夫先生は、日本の学術賞として最も権威ある、日本学士院賞を受賞されました。

超音波診断機エコー

NHK『プロジェクトX』制作班 編集

症状は無いけれども、乳がん検診を受けたいのですが。

40才以上のかたには、マンモグラフィ検診をお勧めします。職域、自治体のマンモグラフィ検診も利用しましょう。しこりなどの症状がある方は、乳腺外来(乳腺外科)を受診しましょう。

 2014年春に、国立がん研究センターより「有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン」確定版が公開され対策型検診(市区町村が行う住民検診)について推奨項目が下記のようになりました。

 推奨される検査内容

 ① 40歳~64歳 マンモグラフィ単独、もしくは、視触診併用

 ② 65歳~74歳 マンモグラフィ単独(視触診なし)

 推奨されない検査内容

 ① 40歳未満 マンモグラフィ(±視触診併用)

 ② 超音波検診 (単独・マンモグラフィ併用)

超音波に関して現在40歳代での有効性が検証されている段階です。

この、ガイドラインを受けた、最終的な厚生労働省からの指針が待たれています。

何年も前から胸にしこりがあるので、乳がん検診を受けに来ました。

何年も前から胸にしこりがあって、一度かかりつけ医に触診してもらって大丈夫と言われたたので、それ以来診察を受けていません。最近、乳がん検診の案内がきたので、思い切って検診を受けに来ました。

外来で、良く耳にする内容です。病脳期間といって、症状に気づいてから、受診までの期間が何年にもなってしまうのが、乳がんの特徴で、これは、多くの乳がんの成長が、最初のうちは、とてもゆっくりだからです。多くの乳がんは、1個の細胞から1cmのしこりになるのに、10年かかると言われています。

『気づいてから何年もずっと変わらないから大丈夫…』  何年も悩まずに、乳腺超音波検査の受診をお願い致します。触知するしこりの悪性、良性の判定は、乳腺超音波検査(エコー)が得意とします。

さまざまな症状や検診結果によって、お勧めする検査内容がことなりますので、お気軽に乳腺外来に、ご相談ください。

エコー検査

マンモグラフィによる乳がん検診で要精密検査となりました。精密検査とは、どういった検査をするのでしょうか?

マンモグラフィ検査の結果によりますが、通常、乳腺超音波検査を行います。『腫瘤』、『局所的非対称性陰影』といった検診結果内容の場合には、特に超音波検査で有用な情報が得られます。

局所的非対称性陰影とは、左右のマンモグラフィを見比べて、しこりとは言えないが、左右見比べてカゲがある場合の表現です。最近は、この、局所的非対称性陰影で指摘される淡いカゲでしか見つからない乳がんが増えています。

※ 乳腺超音波検査は、可能な限り随時行いますが、待ち時間短縮のために、お手数ですが、まえもって診察のご予約をお願いいたします。

婦人科?外科?乳腺外来?皮膚科?何科にかかったらよいか、悩んでいます。

どうぞ受付でお気軽にご相談ください。乳腺に関する悩みでしたら、まずは、当院『乳腺外科』へ、どうぞ。授乳中の乳腺炎や、豊胸術後に関する事なども、ご相談ください。順天堂大学や近隣の施設と医療連携も行っておりますので、ご希望や必要に応じてご紹介もいたします。

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胃がんハイリスク検診は、何年ごとに受ければ良いですか?

胃がんハイリスク検診は、基本的には、生涯に一度の受診となります。なぜなら、胃酸がたくさん作られている大人の胃に新たにピロリ菌が感染する可能性は低いからです。

早めの検査、早めのピロリ菌除菌が、胃潰瘍、胃がんの何よりの予防策です。

ペプシノーゲン法(ペプシノゲン法)

ペプシノゲン法とは、少量の血液で、血中ペプシノゲンⅠ、ペプシノゲンⅡを測定することにより慢性胃炎を診断する検査方法です。

胃がんハイリスク検診では、この検査で、どの程度胃が荒れているかをしらべて、将来胃がんになるリスクが高いかどうかを判定します。

日本消化器病学会から、この検査に関する保険収載提案書が出されていますが、現時点(平成27年7月)では、まだ、収載されていない検査方法ですので、『自費』でしか検査が出来ません。

自費の検査方法ですので、各施設で金額が異なりますが、人間ドック施設などでは、おおむね5000円ほどで行われています。

現在、全国の自治体で、年齢で区切りこのペプシノゲン法を含めた胃がんハイリスク検診が始まっております。該当する方は、是非この機会に、受診しましょう。

胃がんハイリスク検診(ABC検診)とは、なんですか?

東京都北区では、胃がんハイリスク検診が行われています。
 
この、胃がんハイリスク検診とは、
 
① 胃にヘリコバクターピロリ菌という、強力な胃酸のある胃粘膜に住み着くことができる細菌の感染があるかどうか
 
② ピロリ菌の産生するアンモニアによって胃粘膜がどの程度傷ついているか
 
この、2点を血液検査で調べて、胃がんになりやすいかどうか調べる検査です。
この二つの項目で、A,B,C,D群とわけるので通称ABC検診と言われています。
 
ピロリ菌感染がある場合は、1週間の抗生剤内服で除菌することにより、胃がんになるリスクを軽減することができます。
胃がんになりやすいと判断された場合は、除菌後も定期的に胃カメラを受けて早期発見、早期治療をしましょう。

大腸内視鏡検査は、苦しいと聞いたのですが...

 大腸内視鏡検査の器機は、さまざまな物がありますが、こちらでは、熟練者向けの細くて柔らかい材質の内視鏡を採用しております。リラックスして頂く薬もご希望によって使用し、苦痛の少ない内視鏡検査を心がけております。大学卒業後、現在までの医師となって25年間欠かすことなく、毎週検査を担当してきました。

便潜血検査は、なぜ2回必要なのでしょうか?

便潜血反応が、1回陽性で、もう一つは陰性なので、もう一度検査をして陰性だったから、精密検査を受けないかたがいらしゃいました。便潜血検査が2回法(3回採っても感度はそう変わらない)になっているのは、1回だけでは見逃す可能性が高いため、2回行うことになっています。2回の内で1回陽性になっていると言うことは、なんとかうまく拾い上げたという可能性が高いわけです。

便潜血検査陽性で要精密検査と言われました。

便潜血とは、字のごとく、便に潜んでいる血液を見つけ出す検査です。現在の検査方法は、一般的な家庭用浴槽に一滴のヒトの血液が、混ざっていても診断出来るほど、鋭敏な検査です。便潜血反応陽性の場合、現在では、バリウムを注入する注腸検査よりも直接病変を観察できる大腸内視鏡検査が推奨されています。どちらも下剤で大腸の中を洗い流して検査します。血液が出ているからといって必ずしも大腸がんがあるわけでは、ありません。ポリープらも血液が滲み出ることがありますし、炎症や、傷がついたり、内痔核からの出血もありえます。大切なことは、便潜血検査陽性で、再度、便潜血検査を行っては、いけません。せっかくの早期発見の機会を逃すことになりかねません。50才を過ぎたら、毎年この検査を受けましょう。

無痛内視鏡